求められるスキル

求められるスキル

採血のスキル

別頁でも少し触れましたが、検診センターで働く看護師に最も求められるスキルは「採血」です。大規模な検診センターを例にしますと、朝の7時には受診される方々がやってきて身体測定や血圧測定をした後、採血を行います。1~2時間の間に20~30名ほどの採血を看護師1人で行わなければなりません。採血結果を当日に出す場合は特にスピード感が求められます。しかし、血管の状態は人によって異なります。血管を確保しづらい受診者もいるでしょう。採血管は1人あたり4~5本ほど必要な場合があるため、真空管採血で行います。上腕からの採血が好ましいですが、血管がなかなか確保できない場合は他の看護師に代わってもらうか、一旦採血は後回しにするなどの対応が必要となります。

内視鏡検査の介助

次に必要なスキルは「内視鏡検査の介助」です。内視鏡検査を実施していない検診センターなら不要ですが、ある程度の規模になると実施する施設が多いです。また、最近は上部消化管検査を胃カメラで行うところが多く、大腸カメラを実施するところも増えているので、内視鏡検査の介助スキルはぜひ磨いておきたいところです。受診者に鎮静剤を打ち、経口から胃カメラを入れていきます。その際、安全かつ可能な限り安楽に検査を受けてもらえるようサポートをしていきます。最近増えている経鼻内視鏡なら、より負担が少なく検査を受けることができます。看護師として適切に介助を行うためには、検査の手順や機器の取り扱い、機器の洗浄手順、消化管の構造などを知っておく必要があります。

健康状態の把握

受診者の「健康状態を把握する」スキルも求められます。病歴や内服薬の有無、抗血小板凝固剤の有無などを問診で確認します。また、特定検診の際は専門の問診表が存在します。特定検診の問診は費用の請求に関係するため、漏れがないかをしっかり確認しなければなりません。さらに、初めて受診する人や医療知識の理解に不安のある人、健康に不安を持っている人など様々な受診者がいるため、すべての人に安心して受診していただけるようにケアをするのも大切な仕事です。

その他に必要なスキル

基本的に、病気を抱えている人ではなく健康な人を相手にするため、接客業的なコミュニケーション能力が重要となります。看護師として働いてきた人は接客業のアルバイトなどを経験したことがない人も多いかと思いますので、笑顔や優しい言葉遣いを意識して取り組みましょう。また、少ないケースとはいえ内視鏡検査時に受診者の状態が急変する場合があるため、気を抜かずに常に備えておく必要があります。